あらゆる広告を出稿する際に、広告効果をより高めるために行われるA/Bテスト。今回は、広告画像のA/Bテストについて検証していきましょう。

そもそもA/Bテストとは?

はじめに、「A/Bテスト」とは 、キャッチコピーや画像などの広告要素において「2つ選択肢のうち、どちらがより『ウェブサイト訪問者を増やすか』『商品を買ってもらえるか』を判断するためのテスト」です。
たとえば、ある商品の広告画像の背景を「ピンク」と「白」の2つを用意して、「どちらがよりウェブサイトへのクリック率が高いか」「コンバージョンを獲得できるか」などを見極めるのがA/Bテストです。

弊社では、Facebook広告におけるあらゆる要素のA/Bテストを行い、広告効果の最適化を行っています。

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【事例】「プロのカメラマンが撮影した画像」と「素人がスマホで撮影した画像」のA/Bテスト

① プロのカメラマンが撮影した製品の画像例

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②  素人がスマートフォンで撮影した製品の画像例

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上記2パターンを同時にウェブサイト誘導型広告として配信し、 A/Bテストを行いました。
もちろん①の画像のほうが写真として、“美しい”。当然ながら、見た目に“美しい”ほうが広告効果が高いと思いませんか?

しかし、この結果は予想を反するものに…!
なんと素人が撮影した②の画像のほうが、どの項目においても素材画像より高い広告効果を発揮していることが分かったのです。

CTR    プロのカメラマンが撮影した画像 < 素人が撮影した画像  その差21倍!!

CPC   素人が撮影した画像 < プロのカメラマンが撮影した画像  87% 安い!!

CVR   素人が撮影した画像 > プロのカメラマンが撮影した画像  その差2.1倍!!

※ランディングページは同じです。
※数値はケースにより異なります。

結果は、どの指標をとっても、素人が撮影した画像の方が広告効果が良かったのです。

では、なぜこのような差が出たのでしょうか。
私たちの見解では、Facebookのようなインターネット媒体では、「いかにも『広告』風の画像は無視されやすい、目に留まりづらい」ということが原因と考えています。

テレビやラジオなどで流れる広告は早送りすることができず、チャンネルを変えない限り最後まで聞き続けたり、見続けることが多いと思います。しかし、インターネット広告は、目的のリンクをクリックして広告掲載ページから離れたり、画面をスクロールすれば自分の意思で簡単に無視することができてしまいます。

ユーザーの投稿が主なコンテンツとなっているFacebookの中で、プロのカメラマンが撮影した「誰が見ても美しい画像」は一目で広告として認識されやすく、そのまま無視されやすいと言えます。 一方で、素人が撮影した「きれいすぎない身近な画像」は、友人がFacebookにアップした画像や個人ブログにある画像と風合いが同じなので、 一目で広告と認識されにくく、他のユーザーの投稿と同様のコンテンツとして認識されたのではないかと考えられます。

弊社が行った、FacebookにおけるA/Bテストでは、多くのケースでこのような「素人撮影の画像」の方が高い広告効果が出ています。
A/Bテストの一指標として、参考にしてみてはいかがでしょうか。

次回は、「広告で最も効果の高い色」についての検証結果をお伝えします。


CTR*1: Click-Through-Rateの略で、広告が表示された回数の内、その広告がクリックされた割合。
CPC*2: Cost-Per-Clickの略で1クリックごとにかかった費用。
CVR*3: Conversion Rateの略で、ウェブサイトへのアクセス数の内、コンバージョンに至った割合。